産業動物臨床医学雑誌
Online ISSN : 2187-2805
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症例報告
椎体膿瘍および椎体周囲膿瘍による腰椎病的骨折のホルスタイン種育成牛にみられた後躯麻痺の1症例
村田 芙花中郡 翔太郎橋元 直也渡邉 謙一堀内 雅之古林 与志安都築 直猪熊 壽
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2019 年 10 巻 1 号 p. 22-25

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抄録

 ホルスタイン種6 カ月齢の雌育成牛が,後躯麻痺および起立困難を呈した.第13 胸椎から第2 腰椎付近の腫脹と脊柱の彎曲が確認されたため,脊椎病変を疑った.さらに超音波検査により右腎臓付近に長径8 cm 大の腫瘤を認め,同部における超音波検査下での針吸引検査によりグラム陽性球菌を含む膿汁が採取されたため,椎体周囲膿瘍を強く疑った.また,CT 検査により第2 腰椎の骨折が認められた.病理解剖の結果,第1 ~ 5 腰椎の腹側に左右 2 つの膿瘍が認められ,これらは第1 ~ 2 腰椎椎体で交通しており,椎体膿瘍も形成されていた.第2 腰椎では椎体骨折が確認され,骨片の一部が脊柱管方向へせり出し,脊髄を圧迫していた.

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© 2019 日本家畜臨床学会・大動物臨床研究会
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