都市計画論文集
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地方都市における官民連携による百貨店跡地活用施設の実態と来訪者の認識
広島県福山市 iti SETOUCHIを対象として
信野 翔満佐々木 葉
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2025 年 60 巻 3 号 p. 1337-1344

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抄録

地方都市で百貨店の閉店が相次ぐ中で、その跡地活用が課題となっている。本研究では官民連携で百貨店の跡地活用を行っている広島県福山市のiti SETOUCHIを対象に,行政・運営事業者の視点による開業までの経緯、そして開業後の来訪者の認識を調査分析した。 その結果、施設の再生過程では、建物の老朽化や財政的制約があった中で、1階部分のみの限定的再生かつ、スピード感を持った再生を行うとともに、行政と民間でまちづくりに対する共通認識を持ち、官民双方が役割を分担して再生事業に取り組んでいるといったプロセスが明らかとなった。加えて、開業後の来訪者の認識からは過去の施設への記憶の有無や評価と現在の施設の評価との間に関係が見られた。これらより、パブリックスペースの導入による空間としての公共性の創出が再生手法として参考になり得ると共に、施設の履歴の記憶との関係を考えたデザインや説明の仕方が重要となるという示唆を得た。

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© 2025 公益社団法人 日本都市計画学会
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