2020 年 11 巻 1 号 p. 1-4
持続性リンパ球増多症(Persistent lymphocytosis:PL)を呈する牛白血病ウイルス(Bovine leukemia virus:BLV)感染牛の末梢血B リンパ球のクローナリティーを,Inverse PCR およびマイクロチップ型電気泳動装置を用いて解析した.解析の結果,EBL 発症牛3 検体では全て単一のピークが認められ,陰性対照10 検体では一切ピークがみられなかったのに対し,PL 牛36 検体中5 検体では複数のピークが検出された.EBL 発症牛ではB リンパ球がモノクローナルに増殖し腫瘍化しているが,PL牛の中にはBリンパ球がオリゴクローナルに増殖し,既に腫瘍化していることが示唆された.