2022 年 13 巻 2 号 p. 49-54
分娩前後の乳牛に甘草配合ペレットを給与して肝臓の抗炎症効果の有無を調査し,加えて脂質代謝,体重,繁殖成績,および疾病発症頭数について検証した.ホルスタイン種経産牛35頭を対照区と試験区に分け,試験区は分娩予定21日前から分娩14日後まで甘草粉末として20 g/日給与した.肝臓の炎症指標である血中ハプトグロビン濃度や血清アミロイドA濃度,疾病発症頭数は,試験期間を通じて処理間差はなかった.試験区では分娩後の体重の減少が軽度であり,血中NEFA濃度も有意に減少した.繁殖成績は,分娩後149日以内の受胎頭数が試験区で多い傾向があった.今回,甘草20 g/日の給与による肝臓の抗炎症効果は確認できなかったが,脂質代謝を改善することが示唆された.