法と心理
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裁判員制度についての日本国内における心理学的研究展望
学会設立20周年記念学会企画シンポジウム 裁判員制度を巡る法と心理学研究のレビューと展望
藤田 政博
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ジャーナル オープンアクセス

2020 年 20 巻 1 号 p. 37-43

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抄録

本稿では、法と心理学会20周年記念シンポジウムで、裁判員制度に関する心理学的レビューの部分の報告をお届けする。最初にこの報告の目的として最近10年間の日本国内の心理学的裁判員制度研究をレビューすることと設定した。そして、文献検索の方法として CiNii、Google Books、目視その他を用いたことを報告した。重複を取り除き心理学的研究でないものを除いた結果193件が残り、それを6つのカテゴリーに分類した。6つのカテゴリーは(1)総論的論考、(2)裁判員の個人差変数、(3)裁判員の個人単位の判断、(4)法廷技術と法廷戦略、(5)評議、(6)判決文分析である。以上のカテゴリーのうち、本稿では字数の関係で(2)(3)(5)の紹介を行った。(2)についてはパーソナリティ、参加意欲、社会的態度、(3)については量刑判断、呈示情報との関係、目撃者、感情、報道、凄惨な証拠などが取り上げられた。(5)については、人数比、オーガナイザーの存在、素朴交渉と評議デザイン、コーパス言語学の応用研究などの研究が紹介された。

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