2009 年 2009 巻 20 号 p. 21-31
舌側からの矯正治療は, ブラケットスパンが短いためにワイヤーベンディングが極めて困難であることなどから, 矯正治療に十分な技術と経験がある術者であっても唇側からの矯正治療と同等の治療結果が得られないとされている。矯正治療に十分な技術と経験がある術者であっても唇側からの矯正治療と同等の治療結果が得られないとされている舌側からの矯正治療は, 質の高い舌側からの矯正治療を行うためには, 単にボンディング術式, 矯正治療術式などの治療体系のみならず, 医院を取り巻く環境や診療システム全体のバランスを考慮することが必要不可欠である。
今回, 転医と再治療を希望されて来院された症例を交えて, 舌側からの矯正治療に必要な診療システムのバランスについて考察する。