日本舌側矯正歯科学会会誌
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〜 セットアップから学んだ私の矯正歯科 〜
江花 照夫
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キーワード: セットアップ
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2022 年 2022 巻 32 号 p. 60-70

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抄録

矯正歯科技工を学び35年が過ぎて思うことは,「私の技工は一流ではない!でも三流でもない.しかし,志は一流でいたい!」始めの頃は,我武者羅に仕事に専念,後に「歯の移動の仕組みや矯正治療」の不思議と疑問が多くなり50歳を過ぎ,答えを求め歯科大学大学院に入学した.  同時に世界の矯正歯科事情も知るためイギリス,ドイツに研修.ドイツの舌側矯正装置や治療にも触れ,改めて日本の舌側矯正歯科治療は世界でもトップクラスのレベルと驚かされた.  その洗練された技術の中にセットアップが有り,患者の分析,診断,そして,先生の治療システム等を学び始めて,先生の治療シミュレーション(セットアップ)に繋がる.  セットアップを先生に提供することで矯正歯科治療に一助できる喜びと技工士の仕事の大切さを知り,更に興味と向上心を覚えたが,同時に難しさや技工の限界も知った.  多くの先生からの丁寧なご指導やご支援,そして,多くの臨床経験は私のセットアップの精度を更に高め,同時に人間の咬合様式を始め,巧みな咬合機能,審美,そして,顔や顎との調和など多くの情報を盛り込まなければならないセットアップにより魅力を感じ今も学んでいる.  これらは,全てかけがえのない財産である.  この講演で多くの先生からのご指導を紹介させていただきながら小生が,取り組んできた技術や知識そして,次世代への若者へのメッセージを小生の切り口で報告させて頂く.

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© 2022 日本舌側矯正歯科学会
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