日本舌側矯正歯科学会会誌
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最新号
選択された号の論文の12件中1~12を表示しています
  • 関野 愉
    2022 年 2022 巻 32 号 p. 6-11
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/05/26
    ジャーナル フリー
    矯正治療が歯周組織に及ぼす影響について議論する.動物実験や臨床研究から,歯周炎の部位に矯正力を加えると歯周炎が進行してしまうことが示唆されている.しかし,プラークコントロールが維持されている場合には,そのようなロスは起こらなかった.また,矯正力のみによりアタッチメントロスを伴うような歯肉退縮が起こることは考えにくい.薄い歯肉のフェノタイプやプラークコントロール不良による歯肉の炎症が矯正後の歯肉退縮のリスクファクターと考えられるので,そのような部位に関しては事前に歯肉のフェノタイプを増大させる外科手術の適用を考慮する.
  • 小川 晴也
    2022 年 2022 巻 32 号 p. 12-23
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/05/26
    ジャーナル フリー
    Although it is possible to move a tooth to a position that deviates from the bone housing, it is well known that there is a risk of gingival recession, root resorption, and even alveolar bone resorption during treatment, immediately after treatment, or several years after treatment. In this article, we will discuss how the teeth deviated from the bone housing by presenting clinical cases of undesirable phenomena such as gingival recession, alveolar bone resorption, and root resorption. In addition, a treatment plan to prevent gingival recession and root resorption will be presented.
  • 髙柳 譲司, 長谷川 尚哉
    2022 年 2022 巻 32 号 p. 24-33
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/05/26
    ジャーナル フリー
    近年コーンビームCTを用いた三次元診断が普及してきたが,これまでの矯正治療の診断はセファロ分析によるところが大きかったため,今後は,CTから得られる三次元デジタル情報より,顎骨および歯列の三次元形態を加味した治療計画を立案する必要がある.特に,臼歯関係full ClassⅡ症例では,上顎小臼歯の片顎抜去により上顎前歯の歯軸改善と口蓋側移動を行うことが一般的な治療法であるが,上顎骨の近遠心的な厚みが薄い症例,上顎前歯が切歯管に近接している症例では上顎前歯の過度な口蓋側移動は歯根吸収を惹起する可能性があり,注意する必要がある.今回,上顎前歯が切歯管に近接している臼歯関係full ClassⅡ症例において,ボーンハウジングを考慮し過度な口蓋側移動を行わずに,歯科矯正用アンカースクリューを用いて上顎大臼歯部の遠心移動と下顎大臼歯部の近心移動を併用して非抜去にて矯正歯科治療を行い良好な結果を得た2例を報告する.
  • 椿 丈二
    2022 年 2022 巻 32 号 p. 34-52
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/05/26
    ジャーナル フリー
    In most cases of treatment of maxillary protrusion, bite opening is necessary, and lingual bracket orthodontic treatment provides smoother bite opening of the anterior teeth compared with labial multi-bracket treatment. However, in cases that require active intrusion of the maxillary anterior teeth, such as those with gummy smile, effective diagnosis and treatment methods and procedures need to be considered. In other words, the key point is to efficiently intrusion of the maxillary anterior teeth by the required amount, while keeping the intrusion of the mandibular anterior teeth to a minimum.
  • −歯科衛生士の立場から−
    戸田 奈緒美
    2022 年 2022 巻 32 号 p. 53-59
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/05/26
    ジャーナル フリー
    2019年12月31日に中国湖北省武漢市で報告された新興感染症である新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は瞬く間に世界中に広がり2022年1月現在未だ終息していない.国内では1例目として2020年1月14日に武漢市に滞在歴のあった肺炎患者が報告された.横浜港に寄港したクルーズ船でも感染者が確認され全国へと感染が広がった.感染者の増加に伴い当院にも発症前の無症状患者が来院し,私自身も歯科診療補助を経験した.この歴史的な数年を振り返り,歯科衛生士の立場から歯科医療現場における感染制御の取り組みを症例とともに報告する.
  • 江花 照夫
    2022 年 2022 巻 32 号 p. 60-70
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/05/26
    ジャーナル フリー
    矯正歯科技工を学び35年が過ぎて思うことは,「私の技工は一流ではない!でも三流でもない.しかし,志は一流でいたい!」始めの頃は,我武者羅に仕事に専念,後に「歯の移動の仕組みや矯正治療」の不思議と疑問が多くなり50歳を過ぎ,答えを求め歯科大学大学院に入学した.  同時に世界の矯正歯科事情も知るためイギリス,ドイツに研修.ドイツの舌側矯正装置や治療にも触れ,改めて日本の舌側矯正歯科治療は世界でもトップクラスのレベルと驚かされた.  その洗練された技術の中にセットアップが有り,患者の分析,診断,そして,先生の治療システム等を学び始めて,先生の治療シミュレーション(セットアップ)に繋がる.  セットアップを先生に提供することで矯正歯科治療に一助できる喜びと技工士の仕事の大切さを知り,更に興味と向上心を覚えたが,同時に難しさや技工の限界も知った.  多くの先生からの丁寧なご指導やご支援,そして,多くの臨床経験は私のセットアップの精度を更に高め,同時に人間の咬合様式を始め,巧みな咬合機能,審美,そして,顔や顎との調和など多くの情報を盛り込まなければならないセットアップにより魅力を感じ今も学んでいる.  これらは,全てかけがえのない財産である.  この講演で多くの先生からのご指導を紹介させていただきながら小生が,取り組んできた技術や知識そして,次世代への若者へのメッセージを小生の切り口で報告させて頂く.
  • 田ヶ原 昭弘
    2022 年 2022 巻 32 号 p. 71-80
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/05/26
    ジャーナル フリー
    CTが日常臨床に取り入れられるようになり,ボーン・ハウジングと歯根との関係など今までの2次元のレントゲン像ではわからなかったことが診断出来るようになってきた.しかし現在はフルデジタルへの変革の過渡期であり,従来からある2次元セファロの分析法も活用しつつ,デジタルとアナログの両方の長所を活かしたハイブリッドな診断と治療方法が有効である.  そこで,CTから構築したセファログラムとTOPアナライザーシステムを用いて診断を行い,アナログのセットアップモデルを製作してブラケットプレースメントを行った1症例を提示する.患者は初診時20歳女性で,上顎右側中切歯の前突を主訴として来院したAngleⅠ級上下顎前突症例である.上下顎第一小臼歯の抜去を行い,ハーフリンガルで治療を行った.上顎口蓋側に2本の歯科矯正用アンカースクリューを埋入して前歯部のリトラクションを行った.動的治療期間は2年0か月で側貌の改善がみられ患者の満足を得たが、いくつかの反省点も残った.
  • 大櫛 聖惠, かがわ まさゆき
    2022 年 2022 巻 32 号 p. 81-86
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/05/26
    ジャーナル フリー
    歯科矯正用アンカースクリューの出現により,矯正治療における歯の移動限界は拡大した.一方,治療方針決定のための明確な判断基準は定まっていない現状となっている.本症例では,歯科矯正用アンカースクリューを用いた下顎大臼歯の遠心傾斜および圧下と上顎大臼歯の挺出により咬合平面を積極的に変化させて良好な咬合関係と顔貌が得られた.保定後も咬合平面の変化はほとんどなく安定した咬合が維持されたので報告する.
  • 前川 裕亮, 下田 哲也
    2022 年 2022 巻 32 号 p. 87-91
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/05/26
    ジャーナル フリー
  • 相澤 一郎, 岩元 瑠美, 加藤 美沙, 須田 圭伊子, 永木 恵美子, 森田 侑介, 吉田 哲也
    2022 年 2022 巻 32 号 p. 92-117
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/05/26
    ジャーナル フリー
  • 阿部 純子, 石川 剛, 上田 吉松, 神谷 貴志, 佐野 良太
    2022 年 2022 巻 32 号 p. 118-148
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/05/26
    ジャーナル フリー
  • 市川 充男, 小川 晴也, 小谷田 仁, 斎藤 安弘, 佐奈 正敏, 下田 哲也, 下田 直子, 東海林 貴大, 竹元 唯, 名取 晶子
    2022 年 2022 巻 32 号 p. 149-198
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/05/26
    ジャーナル フリー
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