音声言語医学
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音声外科手術法の選択と適応
牧山 清
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2004 年 45 巻 2 号 p. 140-145

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抄録

音声外科手術の選択や適応は疾患により異なる.手術例の多い声帯ポリープ, 片側喉頭運動麻痺, ポリープ様声帯, 声帯結節に対して具体的な手術の適応や選択について述べる.声帯ポリープは初期の例を除いて手術適応がある.手術の方法は外来で行うファイバー下手術と入院で行うラリンゴマイクロサージェリーがある.ポリープの部位や形状, 麻酔方法, 患者の意向などを考慮し, 手術法を選択する.片側喉頭麻痺では音声治療と手術治療を単独, あるいは組み合わせて行う.手術治療には複数の方法があり, 個々の患者の病態に適した手術法を選択すべきである.ポリープ様声帯では禁煙を含めた声の衛生指導が重要である.呼吸障害を合併するような重症例では手術適応がある.声帯結節に対しては音声治療と手術治療を組み合わせて考える.手術治療単独では再発の可能性があることをあらかじめ説明しておく.このように, 医師は, 標準的治療法, 合併症, 手術後の経過などの情報を提示し, 個々の患者に適した助言を行う.最終的に治療法を決定するのは患者自身である.

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© 日本音声言語医学会
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