音声言語医学
Online ISSN : 1884-3646
Print ISSN : 0030-2813
ISSN-L : 0030-2813
治療における言語聴覚士の関与
小池 三奈子
著者情報
ジャーナル フリー

2004 年 45 巻 2 号 p. 146-152

詳細
抄録
音声の障害は器質性・機能性の要因が複雑に組み合わさって起こることが多いため, より質の高い医療を目指すには耳鼻咽喉科医と言語聴覚士 (ST) を中心としたチーム医療が不可欠である.外科的治療・薬物療法・音声治療のうち, STは声の衛生指導と音声訓練を含む音声治療を担当する.治療の適応についての判断や適切な治療方法の選択, 治療の限界を含めた目標設定等について, 医師とSTが共通の理解をもち, 患者へのインフォームドコンセントを徹底して治療を行う.音声治療の対象として機能性音声障害 (心因性を含む) があり, これは外科治療の対象にはならない.また声の濫用が原因の声帯結節などに対しては音声治療が第一に勧められる.喉頭麻痺による声門閉鎖不全例には, 音声外科と音声治療との併用が有効なことが多い.治療におけるSTの関与について, 喉頭麻痺と声帯結節を中心に述べ, 無喉頭音声のリハビリテーションについても触れる.
著者関連情報
© 日本音声言語医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top