抄録
本研究は,中学生の学級集団を対象としたコンパッションに基づく介入プログラムの有効性について検討することを目的とした。プログラムは中学生159名(平均年齢=12.60歳,標準偏差=0.48歳)を対象に学級単位で週に1回,計4回行われた。介入の効果は,コンパッションの変化を自己評定と行動評定により測定することによって検討した。その結果,コンパッションの自己評定には変化が認められなかったものの,行動評定によって測定された「援助行動」と「相互作用」は介入前から介入後にかけて増加していた。また,学級の雰囲気を「あたたかい」と評価する生徒の割合は介入前後で増加していることが示された。以上の結果から,本研究において作成されたコンパッションに基づく介入プログラムは中学生のコンパッションに関連した行動の増加,学級内環境の改善に対して有効であることが部分的に示されたと考えられる。