有病者歯科医療
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インプラント治療の適応に苦慮した2例
川野 大野村 明日香長谷川 愼一高橋 健二滝本 明澤 裕一郎宮城島 俊雄伊藤 正樹
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2004 年 13 巻 1 号 p. 7-13

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抄録

近年, インプラント治療は技術向上により歯科治療に有用な選択肢の1つとなった. しかし全身疾患の有無はインプラント治療のリスクファクターとなるため, その適応は慎重に行う必要がある. 今回, 基礎疾患をもつ2例を通してその対応について考察した.
症例1: 36歳, 女性, 高血圧症, 高脂血症, スタージウェーバー症候群 (精神発達遅滞, てんかん, 緑内障, 自閉症). 高度肥満の上, 長時間の歯科治療が困難であったため全身麻酔下にインプラント埋入術を行った.
症例2: 57歳, 男性, 発作性心房細動, 脳梗塞, 陳旧性心筋梗塞, 不安定狭心症, 糖尿病, 高血圧症. 静脈内鎮静法併用局所麻酔下にインプラント埋入術を行った. インプラント治療を安全に確実に行うには, 疾患への理解と適切な治療法の選択が重要である.
今回のような基礎疾患をもつ患者のインプラント治療を成功させるためには患者の信頼と協力, 術者の技術と経験が重要であると考えられた.

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