血友病A患者に発生した上顎歯肉癌の1例

高橋 重彌; 勝田 秀行; 薗田 直志; 大浦 健宏; 田中 秀生; 加藤 文度; 橋本 賢二; 林 常敏

doi:10.11255/jjmcp1992.16.93

血友病A患者に発生した上顎歯肉癌の1例

高橋重彌, 勝田秀行, 薗田直志, 大浦健宏, 田中秀生, 加藤文度, 橋本賢二, 林常敏

著者情報

キーワード: 血友病A, 上顎歯肉癌, 第VIII/von Willebrand因子濃縮製剤, 上顎骨切除術, 全頸部郭清術

ジャーナルフリー

2007 年 16 巻 2 号 p. 93-98

DOI https://doi.org/10.11255/jjmcp1992.16.93

詳細

抄録

今回われわれは, 上顎歯肉癌を発症した血友病A患者に対し安全に手術を施行し得たので報告する.
症例は58歳の女性で, 右側上顎歯肉の疼痛を主訴に当科を受診した. すでに近総合病院で扁平上皮癌と診断されていた. 術前放射線化学療法後, 上顎亜全摘手術を施行した. 出血傾向に対し, 術前から術後8日目まで第VIII因了濃縮製剤を投与し, 術中には濃厚赤血球および新鮮凍結血漿を投与し対応した. その後, 両側頸部リンパ節転移を認めたため同様の補充療法下に頸部郭清術を安全に施行し得た.

責任著者(Corresponding author)

J-STAGEへの登録はこちら（無料）