真菌と真菌症
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Aspergillus fumigatus 毒素の研究
第10報 培養過程における毒素活性の変化
横田 勝司鎌口 有秀坂口 平
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1978 年 19 巻 1 号 p. 7-13

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抄録
菌株間における生物活性と病原性の関連性について比較検討し, 次の結果を得た.
67%飽和硫安の沈殿上清にはいずれの菌株からもコンカナバリンAと反応を示すガラクトマンナンの存在を示唆したが, 沈殿画分あるいはそのカラムクロマトで得た画分には溶血, 致死, 皮膚壊死, caseinase, gelatinase, 血管透過性等の生物活性が観察された.
生物活性物質中, 溶血と致死の活性は菌株間によつて大きな差異がみられたが, 皮膚壊死, 蛋白分解酵素ならびに血管透過性等では殆んど同程度の活性値を示した.
菌株による溶血と致死の両活性値は相関性を示すもの (F-M株) と示さないもの (K-2, K-9株) が存在し, 致死性の複雑な一面を示唆した.
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© 日本医真菌学会
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