真菌と真菌症
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カンジダの菌体抽出物によるマウスの実験的冠状動脈炎に関する研究 第1報
村田 久雄飯島 肇直江 史郎
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1979 年 20 巻 3 号 p. 214-219

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抄録

川崎病患児の糞便から分離した C. albicans の菌体抽出液を, マウスの腹腔内に接種することにより, マウスの心冠状動脈に特異的な動脈炎が作成される事を数回の実験により確認した. この動脈炎は川崎病にみられる血管病変と極めて類似している. これら血管炎の発生機序を解明する1助として, 病原因子の側から実験を試み, 次の様な知見を得た. すなわち, 本血管炎発生に関与する病原因子は, (1) カンジダの菌体成分に由来し, (2) その因子は, 100℃ 1時間の加熱に耐えるが, 18%エタノールにより不活化され, (3) また, その病原因子はカンジダの菌種, 菌株間で差異がみられるなどのことが示唆された.

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© 日本医真菌学会
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