真菌と真菌症
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白血病患者の腸内 Candida の変動と乳酸菌投与の影響
友田 恒典中野 康夫陰山 克
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1983 年 24 巻 4 号 p. 356-358

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抄録

白血病治療中の感染症は注意すべき合併症の一つでありその原因菌は上気道, および腸内の常在菌や Candida が考えられている. 本報告では白血病治療患者の腸内 Candida の増殖を知るため糞便中の Candida 量を検討した. 白血病治療患者 (2ヵ月以上治療例) 56例中29例において糞便1g中に Candida が104以上認められた. Candida の種類は Candida albicans Aが半数を占め, ついで Candida tropicalis であつた. また乳酸菌含有牛乳投与による糞便中 Candida の変動を検した. 糞便中1g中に Candida が105以上認められたものの中, 牛乳飲用可能な16例について, 乳酸菌含有牛乳投与の影響をみたが16例中8例が104以下に減少した. すなわち乳酸菌含有牛乳投与により糞便中の Candida 量の減少が認められた.

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