真菌と真菌症
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アスペルギルス感染における溶血毒素の役割と生物活性
坂口 平横田 勝司蝦名 敬一石塚 幸雄
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1984 年 25 巻 3 号 p. 219-224

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抄録
Aspergillu fumigatus のマウスでの実験的感染で, 感染経過中での各臓器, 組織内での生菌の消長は, 肝, 脾, 肺臓内では急速に減少するが, 107個生菌投与群で10日後でわずかであるが生存が見られたのは腎と脳であつた. また酵素抗体法で実際に溶血毒 (Asp-hemolysin) の産生と分泌が証明された. 溶血毒は感染を促進し, 毒素抗体では IgG が IgM より強く感染を抑制した.
溶血毒投与マウスの病理組織学的所見では, 腎, 肝, 心, 脳に毒素による病変が認められた. 毒素はヒト白血球やモルモット腹腔Mφの形態学的変化を示した.
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© 日本医真菌学会
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