真菌と真菌症
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実験的 Candida albicans 感染マウスにおける血中遊出菌体抗原の検出について
山本 容正岩田 和夫
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1984 年 25 巻 3 号 p. 225-230

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抄録
マウスの実験的 C. albicans 系統感染において血中に遊出する菌体抗原を125I標識 C. albicans 糖蛋白毒素 (毒素と略す) を用いたラジオイムノアッセイ法によつて経時的に定量を行つた結果, 毒力株の C. albicans MTU 12021, 同じく毒素分離用の毒力株である C. albicans MTU 12024の2株を用いてその各1MLD (1×106細胞/マウス) を静脈内に接種したとき, ともに感染初期である菌接種2日後に早くも血中に高い菌体抗原 (100~1,000ng/ml) が検出された. また, コーチゾン前処置マウスに C. albicans MTU 12024を1/10MLD (1×105細胞/マウス) 感染させた場合は, コーチゾン非処置対照群に比し, 致死率および臓器内菌数が著しく上昇し, 感染の促進が認められ, 血中菌体抗原も比較的多量 (数100ng/ml) に検出されたのに対し非処置対照群ではほとんど検出されなかつた. このことは血中への菌体抗原出現と感染進展との間の密接な関連性を示唆するものである.
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© 日本医真菌学会
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