日本医真菌学会雑誌
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本邦初の行Bipolaris spiciferaによるアレルギー性真菌性副鼻腔炎
田口 勝二川畑 智子若山 恵大原関 利章横内 幸高橋 啓直江 史郎大越 俊夫岩渕 聡渋谷 和俊西村 和子
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2004 年 45 巻 4 号 p. 239-245

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抄録

本邦において,真菌に対するアレルギー反応が原因と考えられるアレルギー性真菌性副鼻腔炎(AFS)の報告例は極めて少ない.我々は,Bipolaris spiciferaが分離同定されたAFSの1例を経験した.症例は70歳男性,両側鼻閉および膿性鼻汁に引き続き複視を来たした.CTにて右前頭洞,両側篩骨洞から蝶形骨洞にかけて軟部組織陰影を認め,篩骨洞,蝶形骨洞開放術が行われた.副鼻腔内容物の病理学的検索では,いわゆるアレルギー性ムチンの中に不規則な間隔で形成された隔壁,さまざまな膨化を示す真菌要素が観察され,微生物学的検索にてBipolaris spiciferaが分離された.本邦でBipolaris spiciferaが原因となったAFSの報告例はこれまでにない.AFSの診断にはアレルギー性ムチンの中に真菌要素を証明することが極めて重要であるが,副鼻腔内容物の圧挫細胞診が菌体の証明,菌種の推定に特に有用であった.

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