超音波医学
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原著
超音波カテーテル・ナビゲーションシステムの基礎的検討
瀬尾 育弐岩間 信行本郷 宏信小笠原 洋一宮島 泰夫山形 仁
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2006 年 33 巻 1 号 p. 53-64

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抄録
目的 : 医師・検査者が細径超音波プローブ (超音波カテーテル) を長時間X線被曝や造影剤の注入なしに安全に血管内に誘導できるように, 体外から超音波診断装置を用いて細径超音波プローブをナビゲーションする方式を検討する. 対象と方法 : 超音波によるナビゲーションの方式を比較・検討した. その中から, 細径超音波プローブから超音波ビームを送信し, その超音波を体表にて従来型リアルタイム超音波装置で受信し, 細径超音波プローブの位置をナビゲーションする方式を最適と考え選定した. 結果と考察 : 細径超音波プローブの設計・試作を行った. ナビゲーション用トランスデューサを細径超音波プローブの先端に配置し, その超音波放射面の前方に反射コーンを取り付けて, 超音波がプローブ周囲に均等に放射されるようにした. 反射コーンの直径が1mm, 反射コーンの角度が80°の場合に, 音場パターンが最も一様となった. また, 位置検出の精度は, 深さ20-100mmにおいて±1.5mm以内であった. さらに, 疑似血流ファントムを用いて超音波による通信の実験を行い, チューブ内 (擬似血流のパワードプラ像の示す領域) を外れることなく, 細径プローブの位置を示すマーカが確実に移動していく様子をオフライン演算処理にて確認できた. 結論 : 2次元超音波診断装置での基礎的検討であるが, X線を使わないナビゲーションシステムとしての基本性能を確認した.
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© 2006 一般社団法人 日本超音波医学会
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