超音波医学
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総説
婦人科疾患の超音波診断
田中 善章生田 明子
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2006 年 33 巻 2 号 p. 195-209

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抄録

婦人科における超音波診断の対象となるのは, 主として子宮・卵巣腫瘍診断であるが, 特にその良・悪性の鑑別診断が重要とされている. また解像能や血流診断技術の向上により他の各種疾患の診断も可能となっている. 子宮においては筋腫, 腺筋症, 体癌以外に, sonohysterographyの活用により内膜ポリープなど子宮腔内病変の診断も精度が向上している. その他IUDやcirsoid aneurysmなどの診断も可能である. 卵巣においては腫瘍診断が中心となっている. 各良性腫瘍の診断および悪性群における上皮性non-mucinous type, mucinous type, 転移性癌の鑑別診断が可能である. 他の骨盤内病変としては, 炎症性疾患として卵管留膿腫, 腹膜炎や異物の診断, また癌性腹水や腹膜偽粘液腫などの腹水および類似疾患の診断に応用されている.

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© 2006 一般社団法人 日本超音波医学会
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