超音波医学
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症例報告
CPIモードとCHAモードを用いたSonazoid造影超音波が腫瘍血流信号描出に有用であった肺扁平上皮癌の1例
浜崎 直樹今井 照彦柴 五輪男北村 友宏仲川 房幸空 昭洋林田 幸治鴻池 義純平井 都始子木村 弘
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2010 年 37 巻 1 号 p. 25-30

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抄録
我々はCoded Phase Inversion(CPI)モードとCoded Harmonic Angio(CHA)モードを用いたSonazoid®造影超音波検査が腫瘍血流信号描出に有用であった肺扁平上皮癌の1例を経験した.85歳の女性が右肺のS6に腫瘤影を指摘された.彼女は超音波誘導下針生検で肺扁平上皮癌と診断された.Bモードでは,胸膜浸潤を伴う低エコー腫瘤であった.カラードプラ法,パワードプラ法,B-flow colorでは屈曲,蛇行する枝状血流信号であった.Sonazoid®は,第二世代の超音波造影剤である.まず,0.4mlのSonazoid®が注入された.これは推奨容量の半分の量である.CPIモードは低MIのモードであり,CHAモードは高MIモードである.CPIで観察したところ豊富な腫瘍濃染が得られたが,血管は不鮮明で空間分解能は不十分であった.さらに,Sonazoid® 0.4mlを注入しCHAで観察したところ空間分解能に優れた腫瘍血管が腫瘍の内部や辺縁に描出された.
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© 2010 一般社団法人 日本超音波医学会
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