超音波医学
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症例報告
トラスツズマブ投与中にたこつぼ型心筋症を発症した1例
渡邊 伸英佐藤 寛大安達 知子伊藤 早希竹田 昌希菅森 峰遠藤 昭博高橋 伸幸吉冨 裕之田邊 一明
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2014 年 41 巻 6 号 p. 853-858

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抄録

乳癌に対する化学療法として用いられるトラスツズマブ(trastuzumab: TRZ)は副作用に心筋障害が知られている.今回我々はTRZ投与中にたこつぼ型心筋症を発症した症例を経験したので報告する.症例は58歳,女性.200X‐2年11月に左乳癌と診断され乳房切除術を施行された.その後,術後補助化学療法を開始され,200X‐1年5月よりTRZが投与された.200X年8月,左室駆出率は38%と低下し,たこつぼ型心筋症様の壁運動異常を認めた.TRZを中止し経過観察したところ壁運動異常は改善した.TRZによる心筋障害は用量に依存せず,1‐4%に症候性心不全,10%に左室駆出率低下を認めるとされる.TRZ投与中にたこつぼ型心筋症を発症した症例はまれであり,報告する.

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© 2014 一般社団法人 日本超音波医学会
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