超音波医学
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総説
呼吸器超音波法 ―体表からのアプローチ―
浜崎 直樹今井 照彦鴻池 義純平井 都始子木村 弘
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2016 年 43 巻 1 号 p. 15-32

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抄録
呼吸器領域に対する超音波の臨床応用は1970年代後半よりBモード法で始まった.超音波Bモード法は胸壁病変,肋骨病変,胸膜病変や胸水,胸膜に接する肺内病変(胸膜下病変),肺癌の胸膜進展,縦隔病変の診断や評価,超音波誘導下穿刺や気管支鏡検査の支援などに有用である.最近麻酔や救急領域で気胸や肺水腫など緊急性の高い疾患に超音波検査が臨床応用されその有用性が注目されている.胸膜に接する肺内病変の診断はBモード法だけでは限界があるが,血流情報を加えることで診断能は向上する.その後呼吸器領域にも超音波血流診断が導入された.パワードプラ法,血流の3D表示,B-Flow color,Levovist®やSonazoid®造影超音波検査などの技術の進歩に伴い呼吸器領域においてもより詳細な血流診断が可能となった.また血流診断を超音波誘導下穿刺や肺癌の治療の評価に応用して有用性が示唆されている.呼吸器領域においても超音波は他の領域と同様にその有用性が高いのである.
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© 2015 一般社団法人 日本超音波医学会
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