超音波医学
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総説
超音波用語と所見:分かりやすい科学的表現
藤本 武利
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2016 年 43 巻 1 号 p. 33-38

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抄録

はじめに:超音波検査の対象は,3次元の立体構造物であり,たとえ得られた検査情報がBモード画像であろうとも2次元の平面図形として理解することはない.したがって,類円形腫瘤という表現は不適切であり,これは,類球形あるいは球状腫瘤というべきである.医用超音波用語の誤用:本誌掲載論文や本会学術集会において医用超音波用語集に記載された用語の定義が遵守されているかどうかを調べてみると,一時期より改善しているが,辺縁・境界・輪郭・周辺が相互に誤りやすい傾向は今も続いている.特に「辺縁」を「輪郭」のように使用する誤りが目立つ.この結果として,同一の超音波画像を述べる際に誤解が生じて議論が噛み合わない事態も想定される.おわりに:誤解は進歩の妨げになるので,医学研究の成果を正確な用語と適切な表現で伝えることが重要である.

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© 2016 一般社団法人 日本超音波医学会
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