超音波医学
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周術期における血管エコーの果たす役割
エコーガイド下頸動脈ステント留置術(エコーガイド下CAS)
濱口 浩敏
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2017 年 44 巻 4 号 p. 357-364

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抄録

頸動脈ステント留置術(carotid artery stenting: 以下CAS)は,通常透視下で造影剤を使用して施行するが,造影剤アレルギーや,腎機能障害がある患者には使用が困難である.その際,造影剤を使用せず,エコーガイド下でCASを行う手法がある.一般に,CASにおけるエコーの役割としては,プラーク性状の評価や狭窄率の推定,ステント内プラーク突出の確認,血流変化の観察などが挙げられる.エコーガイド下でCASを行う場合は,上記項目に加え,カテーテル先端の誘導,ステントサイズの決定,distal protectionの評価,ステント挿入前後の血流変化など,様々な部分で重要な役割を担う.また,手技中の状態変化をリアルタイムに確認することができ,終了時のステント内血栓突出も確認できる.一方で,検査者の被爆防護,検査野の制限,ICA遮断時間の延長,エコー装置の設置位置やプローブの持ち方に工夫が必要,動画保存の際,静止しての保存が難しい,などが問題点として挙げられる.また,術者にもエコー画像の見え方を習熟していただくことも必要である.これらを工夫すれば,エコーガイド下CASは有用な方法である.

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© 2017 公益社団法人 日本超音波医学会
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