超音波医学
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特集「Differential diagnosis and treatment of hepatocellular carcinoma: the role of ultrasound」
限局性肝病変に対する新しい超音波技術の応用
王 斐倩沼田 和司二本松 宏美岡田 真広前田 愼
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2021 年 48 巻 6 号 p. 317-340

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抄録

超音波検査(US)は,放射線被曝がないという圧倒的な利点があり,非侵襲的で,便利で容易に実施でき,比較的安価なリアルタイム画像診断法である.局所肝病変(FLL)[特に小肝細胞癌(HCC)]のスクリーニング,検出,および診断用の一次画像診断法として使用される.しかし,小HCCの正確な早期診断への需要が高まるにつれて,新しい画像診断手法研究し,USの欠点を乗り越える必要がある.例えば,ガス,胸郭,皮下脂肪が存在すると,画像撮影は簡単に悪影響を受けてしまい,血流に関する微細であるが重要な情報を取得する感度が低下する.このニーズに応えて,肝病変の検出で導入されたのは,造影超音波やフュージョンイメージングなどの新しい有望なテクノロジーである.本論文では,FLLの診断と治療へのUSの応用に焦点を当てながら,HCCの発症疫学およびメカニズムの概要を説明する.本論文の目的は,FLLの画像診断や早期HCCの焼灼治療の評価における最新の開発状況を提供することである.近年のこうした進歩を把握することで,肝疾患の診断/治療分野に従事する医者や研究者が,再生結節や局所結節過形成などの良性FLLをHCCと判別できるようになることで,不必要な腫瘍生検や過剰治療の繰り返しが避けられることを期待している.特に,小HCCまたは前癌結節(異形成結節など)を早期でも正確に診断し,適切に治療できるようになることが期待される.

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© 2021 公益社団法人 日本超音波医学会
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