2023 年 50 巻 4 号 p. 241-249
グローバル長軸方向ストレイン(global longitudinal strain:GLS)は,左室収縮機能の頑健で感度の高いマーカーであり,心室の縦方向の短縮を反映する.心駆出率などの従来のマーカーと比較して,不顕性で早期の心機能変化を特定する上で優れていることを示すエビデンスが増えてきている.そのため,臨床の場においてGLSを評価する必要性は高まっているが,現在の文献においてGLSを正確かつ適切に測定する方法に関する情報は限られている.本総説では,画像の取得,後処理,標準化により臨床への応用を促進するために必要なトレーニング/経験など,GLS測定の重要な側面を要約する.