超音波医学
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総説
小児専門の外科医に必要とされる超音波レポートとはどんなものか?
吉元 和彦
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2026 年 53 巻 1 号 p. 31-36

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抄録

小児外科医の視点に合致した腹痛患者のエコーレポートの要点は次の(1)から(4)に要約される.(1)腹部の臓器に腹痛の原因となる先天的な異常,(2)腹痛の原因となる異常,(3)緊急の介入が必要な異常,(4)手術所見を推測するための情報,である.これらについての情報を得るためには,最初に腹部全体のスクリーニング検査をまず行った後に,消化管のスクリーニング検査と腹痛の原因となりうる異常にフォーカスしたエコー検査が必要となる.虫垂炎であれば穿孔の有無,壁の壊疽性変化の有無などについての評価を行う.ここまでが通常の「診断のためのエコー検査レポート」に記すべき内容である.これに加えて,手術所見を予想するためには,以下の(a),(b)の情報が必要となる.(a)虫垂の位置と膿瘍の位置および周囲の腸管や大網の癒着,(b)虫垂根部の炎症の有無である.手術に役立つ情報という臨床現場が期待する以上の情報を提供することが,結果としてエコーの有用性をエコーに詳しくない医療従事者に周知することに繋がる.

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