超音波医学
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超音波画像の高分解能化のための位相コヒーレンス因子の効果の増強
長谷川 英之
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ジャーナル 認証あり 早期公開

論文ID: JJMU.K.15

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抄録
目的:空間分解能は超音波画質を決定づける重要な要素の1つである.本研究では,個々のトランスデューサ素子から受信した超音波エコーの位相分散を用いた撮像法について,さらに分解能を向上させるための検討を行った.方法:受信した超音波エコー信号の位相分散から取得した位相コヒーレンス因子(phase coherence factor: PCF)を用いる位相コヒーレンス撮像法は,近年提案されたものである.この手法では,遅延和(delay-and-sum: DAS)ビーム形成により取得したPCFを用いて超音波RF信号を重み付けすることによって空間分解能が向上する.本研究では,空間分解能をさらに向上させるための指数PCF,高調波PCFおよびガウスPCFを提案する.結果:ファントムを用いた実験により,本研究において新たに提案したPCF撮像法の空間分解能を評価した.ストリングファントムから得られたエコーの横方向振幅分布の半値全幅は,2.61 mm(DASのみ),1.46 mm(従来のPCF),0.48‐0.62 mm(提案したPCF)であった.結論:本研究で新たに提案したPCFは,従来のPCFに比べて良好な空間分解能を示した.また,提案したPCFは従来のPCFに比べ,一様散乱媒質からのエコーの描出能が高かった.
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© 2018 公益社団法人 日本超音波医学会
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