超音波医学
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小児の急性虫垂炎
吉元 和彦
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ジャーナル 認証あり 早期公開

論文ID: JJMU.R.161

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抄録

虫垂炎は手術を必要とする疾患の中で最も多い疾患である.筆者は虫垂炎の原因によって,一次性と二次性に分類している.一次性は主に内腔の閉塞によって起こる虫垂のみの変化によって起こるもの,二次性は周囲の腸炎に続いて起こるものである.一次性の一部は穿孔することがあるため手術が必要となることがある.二次性の多くは穿孔することはなく必ずしも手術は必要としない.小児急性虫垂壁の画像診断の第1選択はエコーである.虫垂の最大外径,壁肥厚,層構造の消失と血流信号の増加,虫垂周囲の液体貯留などの所見が評価に有用である.これらの所見によって手術適応も判断できることが多いが,逆に虫垂の描出が困難な場合もある.一度の検査で十分な評価ができない場合には,手術したりCTを撮影せずに,短時間のうちにこまめに経過をみながら検査を繰り返すことが重要である.初回の検査で虫垂が描出できない場合には,患児の状態が安定していれば,虫垂炎であっても緊急性が高い可能性は低く,すぐにCTを撮影すべきではない.

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