超音波医学
Online ISSN : 1881-9311
Print ISSN : 1346-1176
ISSN-L : 1346-1176
超音波診断・治療支援技術の開発と臨床応用
廣岡 昌史
著者情報
ジャーナル 認証あり 早期公開

論文ID: JJMU.R.266

詳細
抄録

近年の超音波医学技術は著しい進歩を遂げており,特に腹部領域での診断・治療支援において革新的な発展を示している.人工知能(AI)を活用したBモード画像診断の改良,肝腫瘍の鑑別診断,微細血流診断(MVFI)などの新技術が次々と臨床で応用されている.また,肝臓・脾臓の硬度測定や脂肪肝の定量的評価のための減衰係数測定など,非侵襲的診断技術も確立されつつある.超音波内視鏡(EUS)でも造影検査や硬度診断が可能となり,診断能力は飛躍的に向上している.治療支援技術では,特にFusion imagingの進歩が顕著である.従来は異なるモダリティ間の画像位置合わせに手動での解剖学的指標の設定が必要であったが,肝内血管形態認識やAIを活用した自動位置合わせ技術の開発により,より簡便で精度の高い画像統合が実現している.著者は超音波診断および治療支援技術の開発を主要な研究テーマとして取り組み,特に脾臓硬度測定や肝脂肪定量を中心とした非侵襲的診断法の確立,Fusion Imaging技術を活用した治療手技向上に関する研究を展開してきた.本稿では,超音波医学の技術進歩とともに発展してきた著者の研究成果について紹介する.

著者関連情報
© 2025 公益社団法人 日本超音波医学会
次の記事
feedback
Top