抄録
九州沖縄地域のキク圃場86筆におけるネグサレセンチュウ3種(クマモトネグサレセンチュウPratylenchus kumamotoensis、キタネグサレセンチュウP. penetrans、ニセミナミネグサレセンチュウP. pseudocoffeae)の密度および種構成をPCR-RFLP法を用いて調査した。予備試験において3種はAlu I, Hha I, Hinf I, Taq Iのいずれの断片パターンでも識別できた。圃場調査ではこれらのうちAlu I、Hinf Iを同定に用いた。ネグサレセンチュウは調査した86圃場のうち38圃場(44%)で検出された。種別ではクマモトネグサレセンチュウの検出率が29%と高く、本地域における最も重要なキク加害線虫となっていると考えられた。キタネグサレセンチュウ、ニセミナミネグサレセンチュウの検出率はそれぞれ21%と9%だった。また、キタネグサレセンチュウが沖縄県より初めて検出された。