2015 年 45 巻 2 号 p. 85-91
慣行法の幼苗検定より迅速にネコブセンチュウ(RKN)被害を予測する手法の開発を目的に、リアルタイムPCR 法で測定したRKN 密度と幼苗検定の被害度の関係を調査した。ビニルハウス4 棟の合計12 地点の2 深度(表層0–30cm と30–45 cm)から土壌消毒後とトマト栽培後に48 土壌を採取した。RKN 密度の測定とキュウリ幼苗検定を行った結果、RKN 非検出の13 土壌中11 土壌で幼苗に被害がみられず、残り2 土壌でもネコブ被害は軽微であった。RKN 密度と幼苗検定の結果に有意な相関が見られ、RKN 密度が48 二期幼虫相当数 / 乾土20 g 以下では甚大な被害を起こさないことが示された。消毒後の全下層土からRKN が検出され、10 土壌で幼苗にネコブ被害がみられたため、下層土のRKN 密度も評価する必要性が示唆された。深度別の診断が容易なリアルタイムPCR 法を用いた土壌診断はネコブ被害の潜在的リスク評価に有効であると考えられる。