日本線虫学会誌
Online ISSN : 1882-3408
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47 巻, 2 号
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短報
  • 岡田 浩明, 関本 茂行, 荒城 雅昭
    2017 年 47 巻 2 号 p. 25-28
    発行日: 2017/12/20
    公開日: 2018/05/08
    ジャーナル フリー

    近年日本で栽培が増えている食用種を中心にホオズキ(Physalis spp.)種間におけるサツマイモネコブセンチュウ(Meloidogyne incognita, MI)の増殖性の違いを検討した。温室内でポット栽培したホオズキ苗にMI の2 期幼虫を接種する試験を2 回行い、各々の試験でMI 接種後約1 か月半経過させたポットを解体して根こぶ指数(0 ~ 4)、卵のう形成数、ポット内の2 期幼虫密度を調査した。その結果、P. pruinosa の2 品種では他のホオズキ種よりも有意にこれらの数値が大きく、MI に対して感受性であると推察した。一方P. peruviana の3品種、P. ixocarpaP. alkekengi の各1 品種はP. pruinosa よりもこれらの数値が有意に小さく、これらのホオズキ種はMI に対して抵抗性もしくは弱抵抗性であると推察した。

研究資料
  • 田淵 宏朗, 藏之内 利和, 小林 晃, 門田 有希, 岸本 和樹, 田原 誠, 岡田 吉弘, 岩堀 英晶
    2017 年 47 巻 2 号 p. 29-33
    発行日: 2017/12/20
    公開日: 2018/05/08
    ジャーナル フリー

    サツマイモネコブセンチュウには5 種類のサツマイモ判別品種、「農林1 号」、「農林2 号」、「種子島紫7」、「エレガントサマー」、「ジェイレッド」により同定されるSP1 からSP9 までの9 種類のレースが報告されている。本研究では、1 個体のサツマイモに対し500 頭の線虫を接種してレース判別を行う場合、従来は着生卵のう数2 を閾値として用いていたが、新たに10 とする提案を行った。この方法に従うと、SP6 の2 種類の分離株、石垣2 と沖石12 はこれら5 種類の判別品種には同じ反応性を示す。しかし、3 品種のサツマイモ「ムラサキマサリ」、「スズコガネ」、「知恵の葉」は、沖石12 には抵抗性だが石垣2 には感受性を示した。これらの結果から、沖石12 と石垣2 は異なっておりSP6 には少なくとも2 種類のレースが含まれることが明らかとなった。沖石12 と石垣2 をそれぞれSP6-1 とSP6-2 と命名した。千葉県の1 筆のサツマイモ畑から集めたSP6 の5 種類の分離株について調べたところ、全てSP6-1 と判別された。

日本線虫学会第25回大会講演要旨
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