日本線虫学会誌
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短報
分子情報により確認された日本におけるHeterodera sojaeの発生
酒井 啓充串田 篤彦
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2019 年 49 巻 2 号 p. 29-33

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抄録

ダイズ連作圃場から検出されたHeterodera属未記載種のシストセンチュウ(仮称:マメシストセンチュウ、以下マメシスト)が1986年に日本で報告されたが、新種記載されないまま死亡卵を抱えるシストのみが残された。一方、ダイズに寄生するH. sojaeが2016年に韓国において新種記載され、形態的特徴からマメシストと同種と考えられた。そこで、マメシストの核リボソームRNA遺伝子のうちD2–D3領域(740 bp)およびスペーサー(ITS)領域(368 bp)の塩基配列を決定しBLAST検索した結果、両配列ともH. sojaeの配列と最も高い相同性を示した。極めて短い陰門隙を有する半窓型の陰門錐などの形態的特徴と併せて、マメシストをH. sojaeと同定した。また、本種を簡易識別するため、ITS2領域を標的としてH. sojae特異的産物とシストセンチュウ共通産物を増幅するduplex PCR法を考案した。本種はこれまで韓国および中国で発見されており、寄主のダイズと同様に古くから東アジアに発生していたことが考えられる。なお、本種の和名は百田による仮称のまま「マメシストセンチュウ」とすることを提案する。

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