日本線虫研究会誌
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土壌中の生線虫分離法としてのふるいわけベルマンの一変法
佐野 善一
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1975 年 5 巻 p. 41-47

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抄録

1) サツマイモネコブセンチュウとラセンセンチュウを用い, ふるいわけベルマン法の特性を, ベルマン法, 二層遠沈浮遊法と比較検討した.
2) ふるいわけベルマン法の分離効率は, 活動力のあるサッマイモネコブセンチュウでは二層遠沈浮遊法と同程度と考えられる. 分離虫数の振れはCVで10%前後で, 定量的な検出に用いられる.
3) 低温期には, サツマイモネコブセンチュウ第2期幼虫の活動力は低下していることが明らかになった. しかし, 活動力は短期間 (48-72時間) の加温で回復する. ラセンセンチユウは低温期間中でも比較的活動力が高い.
4) 冬季・春季の土壌中のサツマイモネコブセンチュウ第2期幼虫には, 死亡個体あるいはそれに近い個体が存在し, その割合は無視できない.
5) この方法によれば, 低温による活動力の低下に影響されることなく, サツマイモネコブセンチュウの生幼虫を定量的に検出することが可能と考えられる.

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