日本線虫学会誌
Online ISSN : 1882-3408
Print ISSN : 0919-6765
ISSN-L : 0919-6765
韓国からの昆虫病原性線虫 (Steinernematidae科およびHeterorhabditidae科) の検出
Ho Yul CHOOHarry K. KAYAS. Patricia STOCK
著者情報
ジャーナル フリー

1995 年 25 巻 1 号 p. 44-51

詳細
抄録

1990年夏から1991年にかけて韓国内 (9道、3直轄市) の昆虫病原性線虫の分布調査をした。9道のうち6道と1市から線虫は検出された。全土壌サンプル499のうち23から線虫は検出され (検出率4.6%)、その内の19 (3.8%) はSteinernem属で明瞭に識別された。そのうち1群は交配実験でS. carpocapsaeと同定された。残りの4 (0.8%) はHeterhabditis属で、H. bacteriphoraと同定された。生息環境別にみると、低木の改植林を含む森林土壌は415のうち15 (3.6%)、公園・ゴルフ場など芝地は27中1 (3.7%)、海岸域は12中2 (11.8%) であった。これらの線虫は、朝鮮半島南部に普遍的に分布するものと結論する。広範囲な市販線虫の施用は、自然に存在する昆虫病原性線虫の分布調査を困難にするであろう。従って、線虫が広く施用される前に、より詳細な分布調査が必要であると我々は提唱する。

著者関連情報
© 日本線虫学会
前の記事 次の記事
feedback
Top