2021 年 13 巻 1 号 p. 63-71
看護学学士課程の精神看護学実習中、倫理カンファレンスに参加した学生の思考と学びを明らかにするため、半構造化面接調査を実施した。結果、71サブカテゴリと以下の9カテゴリを生成した。【倫理カンファレンスの難しさ】、【倫理原則の理解に伴う倫理的な観点からの思考の獲得】、【自分と対立する意見の承認による多面的思考の獲得】、【看護実践現場に存在する倫理的ジレンマの理解】、【倫理カンファレンスの実施を肯定】、【倫理カンファレンス後の倫理的な観点からの思考への変化】、【倫理カンファレンス後の精神看護学実習における倫理的な観点からの行動への変化】、【倫理カンファレンス後の他領域の実習や講義への応用】、【倫理カンファレンス後の実習に適用できない悩み】。学生は倫理カンファレンスで看護実践現場に存在する倫理的ジレンマを学んでいた。また、学生は多面的思考を獲得し、自らの看護実践を倫理的な観点に立って変化させていた。