日本看護倫理学会誌
Online ISSN : 2434-7361
原著論文
看護ケアの倫理コンピテンシーの構成要素と関係モデル
吉岡 詠美金子 さゆり
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2024 年 16 巻 1 号 p. 3-10

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抄録

本研究は、看護師の倫理的実践の向上を目指し、より効果的な組織的支援を検討するために、看護ケアの倫理コンピテンシーの構成要素と構成要素間の関係性を明らかにすることを目的とする。関東甲信越地方にある地域医療支援病院3病院に勤務している看護師189名を対象に、アンケート調査を行った。看護ケアの倫理コンピテンシーの構成要素は7つで構成されていた。構成要素間の関係性は、【倫理的課題の特定】から【倫理的課題の共有】を経由し〈看護実践〉へ、もしくは【倫理的課題の特定】から〈看護実践〉への2つのルートを経て、【倫理的実践からの教訓】と関連を示した。潜在変数〈看護実践〉は4つの行動に関するコンピテンシーと関連した。今後、看護ケアの倫理コンピテンシーの構成要素間の関係性を踏まえ、7つのコンピテンシーの獲得に焦点を当てた研修と周囲のサポートが必要だと考える。

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© 2024 日本看護倫理学会
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