日本看護倫理学会誌
Online ISSN : 2434-7361
短報
特別養護老人ホームで働く看護職の専門職的自律性に寄与する要因
森 幹雄小野 美喜
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 6 巻 1 号 p. 46-52

詳細
抄録

特別養護老人ホームは、入所者の高齢化や医療施設における在院日数の短縮化などにより、医療的ニーズが必要な入所者が増加しており、看護職は専門職として自律性の発揮が求められる。特別養護老人ホームで働く看護職の自律性の特徴と自律性に寄与する要因を明らかにすることを目的に、全国の特別養護老人ホームで働く看護職を対象に、1997年に菊池と原田が開発した専門職的自律性尺度を用いた質問紙調査を実施した(有効回答239部、有効回答率22.6%)。その結果、特養看護職は専門職的自律性尺度を構成する5下位項目のうち、抽象的判断能力が低く(p<0.05)、自律性に寄与する要因は、「役職」、「職務満足」、「特養での職務継続意思」、「介護職との連携」、「介護職と協働したケア」、「ケアの実践」であった(p<0.05)。特別養護老人ホームで働く看護職の自律性を高めるためには、抽象的判断能力を高める必要性があり、自律性には複数の要因が寄与していることが明らかとなった。

著者関連情報
© 2014 日本看護倫理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top