日本看護倫理学会誌
Online ISSN : 2434-7361
短報
看護職の自律性概念の探求:第一報:英語の文献から
古地 順子
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2015 年 7 巻 1 号 p. 26-35

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抄録

専門職の特徴的要素となる自律性は、看護職においては患者ケア成果に直接的に影響する不可欠要素とされている。本稿では、英文の看護研究を中心に自律性への着目経緯とその概念について報告する。CINAHL・PubMedの1974年から2013年の論文から抽出した34件とこれらの引用文献22件および4書籍を分析対象とした。分析対象中最多件数の米国における看護師の自律性概念は、職業的独立から意思決定、看護師の権限へと移行した後、さらに先鋭化されている。2種類の概念が区別されており、一方は、看護職集団の専門性を指す専門職的自律性であり、看護師が、組織的構造により可能になる実践施策および諸問題についての意思決定への参加プロセス、もう一方は、個々の患者への臨床看護実践を指す臨床的自律性であり、患者中心に行為すること、看護実践領域では独自の判断を行い、医学など他領域と重複して看護実践が行われる領域では相互依存的に意思決定することと定義される。

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© 2015 日本看護倫理学会
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