日本看護倫理学会誌
Online ISSN : 2434-7361
短報
看護師がチームワークの中で経験する違和感・ジレンマについてのナラティヴ分析
田口 めぐみ宮坂 道夫
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2015 年 7 巻 1 号 p. 45-53

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抄録

看護師が看護実践の中でどのような違和感・ジレンマを経験し、その状況にどのように対応しているのか、また、その対応に対する看護チームの反応を明らかにするために看護師10名にインタビューを行い、テーマ分析と構造分析を組み合わせたナラティヴ分析を行った。構造分析から、1)違和感・ジレンマを経験したが対応できなかったというナラティヴ19例、2)違和感・ジレンマに対応したが効果が得られなかったというナラティヴ10例、3)違和感・ジレンマに対応し効果が得られたというナラティヴ2例が見いだされた。効果が得られた2例は、成功体験や良いモデルに出会った経験があるケースだった。テーマ分析の結果、違和感・ジレンマは、X.看護チームの習慣・ルール・看護システムに対するもの、Y.看護経験の多少に基づくもの、Z.看護師–医師の関係に基づくもの、に分類された。倫理的ジレンマへの対応・行動のあり方を組織的に検討し、看護師が倫理的実践能力を発揮しやすいチーム・集団の環境を整えることが不可欠であることが示唆された。

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© 2015 日本看護倫理学会
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