超高齢社会に突入し、地域医療を支える看護職として「特定看護師」が注目されている。本研究は、地域医療を担う病院に勤務する特定看護師1名、および特定看護師が担当する慢性疾患をもつ高齢患者3名を対象に、慢性疾患をもつ高齢患者に対する特定看護師の新たな実践を明らかにすることを目的に研究を行った。本研究は質的記述的研究デザインを用い、半構造的面接調査によって得られたデータを質的に分析した。その結果、特定看護師は、3年以上の経験をもち 《長期的視点からの治療方針の判断》 や 《高齢者のエビデンスに基づく臨床推論とQOL向上に向けた症状マネジメント》 を行い、対象患者に 《全人的な医療に対する満足》 等をもたらしていた。今後は、「看護師の特定行為に係る研修制度」の発展と共に全国各地で特定看護師が活躍し、超高齢社会の医療に貢献することが期待される。