抄録
本研究では、現在、病院で活動中の診療看護師を対象に所属部署の違いによる就業環境の違いや、診療看護師自身が所属部署の違いにより、職務上の問題点やメリット・デメリットをどのように感じているかなどの実態を明らかにすることを目的とした。大学院修士課程を修了し、臨床現場で診療看護師として活動している者を対象とし,郵送法による無記名の自記式質問紙調査を行った。119 名の診療看護師に質問用紙を配布し、74 名(回収率62.2%)から返送があった。診療看護師の所属部署としては、診療部が59.4%、看護部が32.8%であった。診療看護師の1週間の平均就業時間は、診療部所属と看護部所属との間に有意差が認められ、診療部所属の中には80 時間を超えるものが12%いた。院内・院外研修の機会や他職種と患者に関する相談をする機会は、診療部所属の方が多かった。診療看護師の労働環境を制度的に整備していくには、今後も定点調査を継続して実施していく必要がある。