2018 年 16 巻 1 号 p. 13-25
本研究は、機能強化型訪問看護ステーションが、地域の高齢者を対象に、住み慣れた地域でその人らしく最期まで生活することを目指したプログラムを実施し、参加者の在宅療養に関する理解や意識に対する効果を明らかにすることを目的とした。本研究は縦断的研究デザインによるmixed methodsを用いた。参加者は45名、平均年齢78.4 士 7.2歳であった。プログラムの効果は、在宅療養に関する知識や考えを質問紙やグループインタビュー法を用いて分析した。本研究の結果、在宅療養における訪問看護、診療、介護に関する理解者が増加し(p < 0.001)、在宅で最期を迎える際の気がかりが減少した(p < 0.001)。参加者がプログラムを通して在宅療養について語り合い、理解と意識を高める効果が明らかとなった。今後は、啓発活動のーつとして広く社会に普及することが期待される