看護科学研究
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被爆者健康診断受診者の咬合力と他の因子との関連
今村 圭子新川 哲子吉田 浩二永田 明浦田 秀子
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2018 年 16 巻 1 号 p. 26-32

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抄録
食事は人が生命を維持し心身の健康を守る上で必要不可欠な行為である。本研究では口腔機能判定の指標である「咬合力」に注目した。被爆者健康診断受診者を前期高齢受診者・後期高齢受診者のー群に区分し、咬合力の比較と咬合力に影響する因子を明らかにすることを目的とした。被爆者健康診断受診者302名(前期高齢受診者158名、後期高齢受診者144名)を対象に調査を行った。その結果、1. 前期高齢受診者の咬合力は後期高齢受診者より有意に強かった。2. 被爆者健診受診者の高齢者の咬合力への影響因子は、残存歯数でありその傾向は後期高齢受診者より前期高齢受診者でより高かった。3. ヘモグロビン値は全対象者と前期高齢受診者において有意な差を示し、残存歯数が多いことと関連していた。4. 被爆者健康診断受診者の咬合力は女性より男性が高かった。被爆者健診受診者も一般高齢者と同様に咬合力の低下を予防することが必要である。その為に虚弱化が顕在化する前段階から食物を噛む回数を増やすことの重要性の説明を行うなどのアプローチが重要である。
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© 2018 看護科学研究編集委員会
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