抄録
精神障害者に対するリカバリー支援プログラムIllness Management and Recovery(IMR) はリカバリーを促進することが報告されている。本研究は、精神科デイケアにおけるIMR参加者のパーソナルリカバリー促進に長期的効果をもたらした要因について明らかにすることを目的として、IMR終了後半年以上が経過した地域で生活する精神疾患を持つ人に半構造面接を行い、以下のことが明らかになった。1)本研究対象者はIMR後の生活で症状が悪化した可能性は小さく、リカバリーゴールは多様化しそれを実現させるための行動の範囲が広がりパーソナルリカバリーは長期的に促進されていた。2)パーソナルリカバリー促進に長期的効果をもたらした要因としてIMRで目標設定と取り組み、疾病マネジメントのスキルを得て、日常生活に活かせたことと、参加者同士の交流によりコミュニケーションに自信を持て、仲間との情報共有により自分の病気に対する考え方が変化したことが推測された。