抄録
本研究の目的は、精神科看護認定や精神看護専門の資格を持たない精神科看護師が認識する精神科看護の専門性を明らかにすることである。精神科看護師9名を対象にFGIを行い、精神科看護の専門性に関する対話をSCATにより分析した。その結果、精神科看護師が認識する精神科看護の専門性は、【患者対応に関する専門性】【専門性に対する多様な認識】【専門性としての確立への困難】【自らの専門性を自覚する状況】に関する内容で構成されていた。【患者対応に関する専門性】には、知識・技術による看護実践と看護に対する看護師の理想像や役割に関する内容が含まれていた。また、【患者対応に関する専門性】は【専門性に対する多様な認識】と【 専門性としての確立への困難】に関連する。一方、【専門性に対する多様な認識】は、【専門性としての確立への困難】に影響し、【患者対応に関する専門性】と一概には言えないという課題も含まれていた。