抄録
【目的】藍の成分を配合した試験ハンドローションについて、皮膚の保湿と抗菌効果の検証を目的とした。【方法】対象者をハンドローション別に、N群( ローション基剤のみ)20名、A群( エタノール配合)19名、T群( トリプタンスリン+インジゴ+エタノール配合)16名とし、 N 群とA群の2種類のハンドローションをT群の比較対象とした。ハンドローションの使用は30日間とし、単盲検試験とした。皮膚水分量は、携帯型皮膚水分計を使用し、部位は利き手の手背中央、手掌中央、拇指指腹部とした。ハンドスタンプシャーレを用い、ハンドローション塗擦10 分後に利き手手掌のコロニー数を測定した。【結果】皮膚水分量は、N 群の手背で有意に上昇し、A群の手掌で有意に低下した。塗擦前後の比較で、塗擦後のコロニー数の減少はなかった。【結論】藍の成分のトリプタンスリンを配合したハンドローションに、明らかな皮膚保護作用は得られなかったと考える。